日本六古窯と私的六好窯 (序)

update:2018/02/21

やきものエッセイ第1弾として、日本にある有名な窯業地をご紹介していきましょう。

といっても、日本には古くから多くの窯場が存在していまして、的を絞るのも結構難しい話。そこで、今回はまず、名高い研究者が名付けた「日本六古窯」をご紹介しましょう。その上で、次回からは筆者が個人的に決める「私的六好窯」をあげる事にします。

前者は、日本のやきものを語る上で重要な地(研究は日々進んでいますので、名付けられた当時と現在では、異論もあるかと思いますが)であり、後者は筆者が勝手に、旅するなら楽しいところ、という基準で選ばせてもらいました。ですから、良い作家が多いとか、窯業地としての充実以上に、そぞろ歩きが楽しいところがあるとか、やきもの的観光名所があるとかが、選定の大きな基準になっています。

でも、筆者の「私的六好窯」の前に、小山冨士夫の六古窯とは・・・

陶磁研究家で晩年は陶芸家としても活躍した小山冨士夫(1900-75)は、中世に隆盛していた大窯業地6つをあげて、六古窯と呼びました。それが、瀬戸(愛知)・常滑(愛知)・丹波(兵庫)・信楽(滋賀)・越前(福井)・備前(岡山)です。

これらの窯業地は、中世以前から始まっていたと考えられていますが、はじまりに関しては諸説あり、現在でもはっきりとしません。しかし、鎌倉・室町時代には一大産地であったことは、多くの資料から明らかです。
その後、各窯業地はそれぞれの推移をたどり、ずっと隆盛をたどったという訳ではありませんが、先人たちの様々な努力があって、窯の煙が途絶えることなく、現在でも伝統的な窯業地として名高いところとなっています。

ちなみに、現在では発掘調査も進み、中世窯は他にもあったと考えられており、もし現在の研究者が古窯をあげるなら八古窯とか、十古窯とかになっていたかもしれません。また、明日にも大発見があるかもしれません。「幻の窯発見」なんて、中国で話題になったりするくらい、常に調査が進んでいるのです。いずれにしても、この窯業地は古い文献からも名前が見つかりますから、昔から有名だったことは間違いないでしょう。

やきものPLAZAのデータブックの中に、「古窯跡」のリストがありますので、興味のある方はぜひそちらものぞいてみてください。派手な観光地ではありませんが、実際に足を運んでみると、その大きさとか、傾斜とか目の当たりにできて、昔の人のエネルギーに触れる思いに囚われますよ。

さて、序文として、いわゆる「六古窯」のご紹介はここまで。次回からは、筆者プレゼンツ、今すぐ旅がしたくなる窯業地をあげていきましょう。

(2010年初出、転載・加筆修正)