歴史と伝統の陶器まつり
京都五条坂

update:2019/07/26

陶器まつりを紹介する新企画。
歴史などの雑学を交え、歩くときに楽しい情報になれば幸いです。

さて、夏祭りの季節ですね。
陶器まつりと言えば、春のゴールデンウィークや、秋まつりのタイミングが圧倒的に多い中、夏祭りの代表格が京都の五条坂でしょう。

京都五条坂 陶器まつり
http://www.toukimaturi.gr.jp

会場は、清水五条駅から五条通に出て、清水寺方面へと向かう通りの一帯、東大路通にでるまでです。
この通りは、普段から交通量の多い広い道路。歩道も広く、そこに約400店が出店されます。

会期は例年、8月7日から10日。
実は、六道珍皇寺の夏の行事「精霊迎え 六道まいり」と同じ時期となっています。

六道珍皇寺といえば、嵯峨天皇に使えた小野篁が、ここの寺の井戸から冥土に通ったという伝説が伝わっていることで有名な寺。篁は昼は朝廷、夜は閻魔庁にて働いたためです。

現在も本堂の裏に「小野篁冥土通いの井戸」があります。

そんな六道珍皇寺は、冥界の入口であり、「六道の辻」と呼ばれました。夏に御子割れる「六道まいり」は、先祖の精霊を迎えるために参詣する風習なのです。京都のさまざまな伝統の中でも、特に有名で、最後に大文字焼を見届けて、京都のお盆が終わると聞きます。

さて、陶器まつりから話が脱線したように思われたかもしれませんが、そうではありません。
この「六道まいり」の人を目当てに市が立ったのが、陶器まつりのはじまりと言われているからです。

陶器まつりの始まりは、大正9(1920)年。来年で100年になります。
現在は、五条通にある陶器神社「若宮八幡宮」の大祭。1053年創建された神社ですが、昭和になって陶祖神の椎根津彦命が合祀されており、「陶器神社」として知られています。通りかのぞける場所にあり、現在の陶器の街としての五条坂の中心的な場所になりますので、ぜひ参内をおすすめします。

ちなみに、六道珍皇寺のほうは、通りから脇道に逸れて、少し住宅街のような路地をちょっと歩きます。決して遠くはないのですが、ついでに行く感覚ではないかもしれませんね。
 
とにかく、盛りだくさんのまつりですから、事前に公式HPなどを見たりして、プランを立ての散策がオススメです。
 

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(2023年加筆修正)

追記。。。陶器まつりなどイベントスケジュール一覧はこちら