やきものニュース
来春、樂家16代当主誕生によせて

update:2018/02/26

ちょっと、(陶芸界)では大きなニュースが飛び込んできました!
京都の伝統の陶家、15代樂吉左衞門さんが来春、ご長男の篤人(あつんど)さんに16代を継承することが決まったそうです。

樂家は、千利休とともに樂焼を生み出した長次郎を祖とする伝統の陶家。一子相伝で、延々と受け継がれてきました。
当主は歴代、吉左衞門を名乗ります。ちなみに、ご本名です。
・・・つまり、継承すると、裁判所に申し立て、認可を得て、戸籍を変更するんです。

当代の吉右衛門さんは、息子さんに名を引き継ぎ、ご本人はまた新た場で活動を続けるとか。通常、樂家は引退すると「入」の字を含む「道号」を名乗るのが慣例であり、歴代の当主たちも、後世では、1例えば、3代吉左衞門というより、この同号である道入と呼ばれることの方が多いですね。ちなみに、この3代道入(別名ノンコウ)は、樂家でも特に名高い名工です。本阿弥光悦との交流でも知られますね。

さて、せっかく16代樂吉左衞門の襲名があるということですから、これから、樂家関係はなにかイベント的なものがあるのかと、期待してしまいますね。
個展とか、親子展とか、見たいものです。
もちろん、15代としては最後となる作品も見たいし。
・・・ひょっとしたら、当代は引退したら、樂家に囚われず、もっと自由に作陶を始めるかもしれませんからね。茶陶の名家として、最後をどのように飾るのか気になるところです。

ということで、ちょっと遊びに行きたくなってきました。
樂家は現在も京都に窯を構えています。そちらには気軽に行くことはできませんが、美術館はありますし、その通りをあるくだけでも、京都らしい、タイムスリップしたような風情が感じられるところです。

樂美術館
京都市上京区油小路通一条下る
https://www.raku-yaki.or.jp/museum/index.html

現在は三月11日まで、「開館40周年 樂美術館 新春セレクション」が開催中です。
また、その後は、「開館40周年記念特別展 能と樂茶碗 幽玄と侘び − 形の奥にある美意識」展が予定されています。・・・ものすごく気になりますね。

そして、もう一つ、樂さんの茶碗を見たいと思うならこちら!

佐川美術館 楽吉左衞門館
滋賀県守山市水保町北川2891
http://www.sagawa-artmuseum.or.jp/plan/raku/exhibition.html

佐川美術館の館内に、樂吉左衞門自身が設計・創案、監修をした茶室と展示室があります。
展示室は、水庭に埋没された地下で、茶室は水庭に浮かぶように建設。本当に独特の空間で幻想的。伝統を感じながらも、モダンであるという、当代の世界観が投影されています。

来春まで、樂家の動きに目が離せませんね。
ぜひ、遊びに行きませんか。