やきもの展覧会
いよいよカウントダウン 〜工芸館の所蔵作品展

update:2020/02/04

今回のご紹介は東京国立近代美術館工芸館の所蔵品展です。
 
所蔵作品展 「パッション20 今みておきたい工芸の想い」
2019年12月20日〜2020年3月8日
東京国立近代美術館工芸館
https://www.momat.go.jp/cg/exhibition/passions2019/
 
…最初に申し上げておきますが、工芸全般の展覧会であり、陶芸専門ではありません。
HP上の案内だけを見ていると、金工や人形がメインの展覧会だと誤解されると困りますが、工芸館が誇る、近現代工芸品の名品揃いの中には、もちろん、陶芸も多数含まれます。
 
たとえば、初代宮川香山とか、石黒宗麿、板谷波山、河井寛次郎、濱田庄司、荒川豊蔵、鈴木治、熊倉順吉、八木一夫など、伝統工芸系からオブジェ陶まで、あらゆる巨匠たちの名品を所蔵しているのが工芸館なのです。
 
そして、本展は、その名品のかなりの数が出品されています。
 
それでも、「所蔵品展」でしょう?と、わざわざご紹介する意味に首をかしげる人がいるかもしれませんので、改めて書いておきましょう。
 
本展は、東京の工芸館としては最後の展覧会なのです。。。
御承知の方も多いと思いますが、今年、工芸館は金沢に移転が予定されています。
国立工芸館となる予定であり、それはそれで楽しみなのですが。。。
 
でも、東京近郊に住む人間にとって、いつでも気が向いたら、すぐ行ける丸の内から工芸館がなくなってしまうことの悲しさといったら。。。
 
森の中を進むように、赤レンガの建物(旧近衛師団司令部庁舎)を目指し、古びた扉を開く時の高揚感。。。建物そのものも、建築家・谷口吉郎が重文ですから、その空間の中で美術工芸品を見る楽しみは格別だったのに。
 
もちろん、古い建物ですし、耐震強度やセキュリティなどを考えると、さらには収蔵品の数に対して手狭では?と考えることもあって、新しい建物ができるのは喜ばしいことなのです。
しかも、日本海側には国立博物館はないから、その点も良いことでしょう。
 
でも、寂しいですね。
 
ということで!
本展も残り1ヵ月あまり。
 
新しい門出を祈りつつ、もう一度、東京の工芸館に足を運んでみませんか。